『春の日やあの世この世と馬車を駆り』
出典・引用元
「水妖詞館」中村苑子(1913〜2001)俳人
幽玄・夢幻的な句風で知られた。
今日は、俳句から。
本日、2021年5月5日は二十四節気の一つ『立夏(りっか)』です。
春は過ぎていきますが、この少し不思議な句を紹介。
「あの世」という言葉が出てきますが、作者が何を思って読んだのか。
調べてもあまり出てきません。
とある春の日に馬車を駆ってしきりに現世と死後の世界を往復している
そんな非現実的な体験を句にしたのか
死の身近さを感じ取った句なのか
天駆ける馬車が、いそがしくお迎えに来てうつし世とあの世を行ったり来たりしているのでしょうか
いろいろと想像を掻き立てられます。
「水妖詞館」というタイトルの句集のタイトルも言葉通り妖しげです。
中村苑子さん、どうのような女性だったのでしょう。
松下カロさんのブログに少し中村苑子さんと、彼女の句に関する記載がありましたのでご参考までにリンクを貼っておきます。
http://mkk0076.blog88.fc2.com/blog-entry-139.html
「現世(うつし世)はゆめ 夜の夢こそまこと」江戸川乱歩
ふと、乱歩のこの言葉を思い出しました。
江戸川乱歩もそうですが大正~昭和初期の作品にはモダンで妖しげ世界を持つ作品があり好きです。
連想ゲームのように話は変わりますが、
一昔前,小学生のころのこと。
父の会社の同僚のお子様が、高橋葉介先生で「夢幻紳士」はじめ、著作の漫画を頂きました。
「夢幻紳士」も大正ロマンの時代を背景にしています。(と思います。)
幻想的な探偵漫画です。
筆のタッチが独特で、少し不気味ながらもコミカルで面白かったなぁ。
また、読みたい。
(「鬼滅の刃」テイストのルーツもこれじゃないかと、思ってしまった。むやみに無責任なことは言えないが...)
・・・・閑話休題。
とにかく書きながら記憶がフラッシュバックしてしまう不思議な句でした。
では、ゴールデンウィーク最後の晩、うつし世がゆめにならないことを祈って寝ます。
おやすみなさい。